漫画描いて普通に生きてるフリーランスのメモ。
広告は効果を約束できないからこそ、クライアントが満足するクオリティを

広告は効果を約束できないからこそ、クライアントが満足するクオリティを

「ドリルを買いにきた人が欲しいのはドリルではなく『穴』である」というマーケティングで有名な話がありますが、広告なんて特にそうで。
お客さんは広告を作りたいんじゃなくて、それによる効果が欲しいんですよね。

でもそこが広告の辛いところで、結果はお約束できないのです。
がんばります、としか言えない。
もちろん少しでも結果に結びつくよう考えて制作するわけですが、それで結果が出なかったとしても「じゃあお金は結構です」とはならないわけで。
なので(保険をかけているようでちょっとカッコ悪いかもしれませんが)もし結果が出なかったとしても依頼主に「いいものができた」と感じていただける工夫をしています。

例えば実在の人物を登場させると中の人たちにウケるとか、地域的なターゲットがある場合は有名スポットや地域あるあるを入れると喜ばれるとか。
具体的な方法は他にもいろいろありますが、でも1番有効なのはお客さんも参加してもらい、「自分の仕事」として関わってもらうこと。
特に漫画制作は携わること自体がなかなかないことなので、思い入れのある仕事としてきっとご満足いただけることと思います。

あと、私はとにかく最初のネームでクライアントを刺すつもりでやっています。
その時点で「すげえ!頼んでよかった!」と感じてもらえれば、結果以外の満足度はほぼ最後まで担保されます。

読者のことを考えた作品作りは漫画の基本ですし、クライアントの言いなりでいい広告漫画ができることはありません。
制作者としてこだわるところはこだわります。
でもクライアントの心情を無視して作った作品は、例え効果があったとしてもあまり気持ちよい仕事とは言えない。

考えること盛りだくさんですが、そこがハマったときはやはりいい作品ができることが多いので楽しいです。